

菅原弘暁

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「全社員がPRパーソンになるために」と題して始めたこちらのシリーズ。前回は社員が協力できることについて書きました。
しかし、社員に採用や広報に協力してもらうには、会社のことをもっと知り、愛してもらわねばなりません。PRパーソンの仕事は、ただ外に会社を報せることだけでなく、中に報せることも含まれるのです。
前回の記事では、<次回予告>「自社のことをより深く知る」ために、社員が能動的にできること(仮)としていましたが、一旦こちらの方が大事だと思ったので先にこちらを書きます。
インターナルコミュニケーションのために行なわれている、代表的な施策とその意図/効果をまとめました。
表彰制度
四半期/半期などで、活躍した社員を表彰する制度。それぞれの行動規範(クレド、バリューなど)に紐づけて、〇〇賞という形で表彰される企業さんも多くいます。
「あなたを評価している」というのを全社員の前で告げることに大きな意味があります。いっそのこと“身内ネタ”と恐れずに、パブリックな場で公開してしまうのも有効かもしれません(友人や家族にも届くので)。
期待できる効果としては、社員が「行動規範を遵守すれば活躍できる&褒められる」と思ってくれること。そういった動機付けがあると、行動規範を知ろう、守ろうとなってくれそうですよね。
大事なポイントは、対象者やその周辺の人を「感動させること」です。会社によってはサプライズで家族のコメントを動画で撮影して、当日流すこともあるようです(本人は照れつつ号泣)。
社内報
言わずもがなですが、社内報も大変有効です。
メールやチャットで「お知らせ」的に社内周知をすることも多いと思いますが、“業務モード”のときに閲覧するイントラでは、ゆっくり読んでもらうことも難しいこともあります。
「他部署がどんなことをやっているかわからない」「最近人が急増して、顔と名前が一致しない社員がたくさんいる」と言ったように、同じ会社にいるのに、“完全に他人”のようになってしまうことも少なくありません。
リクルートの「かもめ」のように、編集委員まで作る会社もあります。余談ですが、「かもめ」はリクルートOBにも定期発行されるという噂を聞いたことがあります(※実際の真偽はわかりません)。“元リク”と呼ばれる方々の結束感、会社愛にはこのような施策も寄与しているのかもしれませんね。
PR Tableを「オンライン社内報」のような形でご活用される顧客も多くいます。というのも、社内コンテンツは採用や広報にとても有効だからです。外(SNSなど)に投影されることで、鏡越しの自分たち(自社)を見る、といった効果もあります。
一方で、注意点もあります。SNSなどの存在により「社内報はすでに社内だけのものではなくなった」ということです。最近だとこういったケースがありましたね。
株式会社コロワイドの社内報が炎上 謝罪も「さらに炎上しそう」 – ライブドアニュース
社内の人間が目を通すものは、社外に届く(良い意味でも、悪い意味でも)といった観点が必要です。ここら辺は、PRパーソンの腕の見せ所ですね。
メディア露出、口コミなど
どんなに素晴らしい事業を行っている会社で、経営者が株主や関係者から評価されていても、中にいる社員の心象には案外関係がありません。
人は、自分がやっていることを誇りたいのです。ときには賞賛されたいのです。それが“中”からだけではなく、“外”から褒められることで、より強い効果を生みます。
「この会社のやっている事業は素晴らしいいいいい」と褒められたら、きっと社員は「頑張っててよかった!」と思ってくれることでしょう。そしてもっと頑張ってくれることでしょう。
これも先に述べた通り、外(SNSなど)に投影されることで、鏡越しの自分たち(自社)を見る、といった効果もあります。
ただ、意図的な文脈でメディア露出することは容易ではありません。「他人が褒めてくれないなら、せめて会社が褒めてあげよう」といった施策も必要だと思います。自社ブログなどは、そういった意味合いも込めると良いかもしれません。
とはいえ
オフラインでの地道な対話に勝るものはありません。パワーランチや部活動、斜めのコミュニケーションなど、できる限り頑張るのがよいと思います。
そういった施策もデザインし、社員に会社を愛してもらう、それによって能動的な協力を呼びかけられるのが、優れたPRパーソンなのかもしれませんね。
イチ広報担当者としては、このような社内広報のやり方があります。具体的にまとまっているのでご参照ください。
社内広報が上手な企業に共通している3つのポイント
<(今度こそ)次回予告>
「自社のことをより深く知る」ために、社員が能動的にできること(仮)