

菅原弘暁

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「全員広報」「全員採用」など、広報担当者、採用担当者だけでなく、全社を挙げて取り組むぞ!と社内標語を掲げられる企業さんと、お会いする機会を多くいただきます。
しかし、掲げたは良いものの、それを実行に移すのは決して容易ではありません。
社員みんなが会社を好きなわけではないし、仮に好きでいてくれたとしてもどのように協力したら良いかがわからないのです。
そのような悩みを抱えている企業の方に、少しでもお役に立てればと思い、これまで学んできたことを書き綴ります。地味な内容かもしれませんが、もしよければご参照ください。
ちなみにPR Tableも同様に、名前負けしないよう「全員PRパーソン」な会社を目指しています。社員数が少ないうちから徹底しておけば、きっと……と淡い期待を込めて、日々勉強した内容をアウトプットしていきます。
社員が協力できること(基礎編)
まず大前提として、社員の協力なくして「全員広報」「全員採用」などは、成し得るはずもありません。
「協力できることならしてあげたい、でもどのように協力すればいいのかがわからない……」。そのような方も多いのではないでしょうか? でもセールスであれば顧客、採用担当者であれば学生や転職層、と日々多くのステークホルダーと接しているのに、ポカーンとしてたら機会損失になってしまいますね。
だからといってPRの専門スキルもないし……。というかた、会社から求められていることはそう多くはありませんよ。くわえて、とてもシンプルです。以下、社員がPRパーソンに一歩近づける、「広報/採用活動」をまとめます。
▼会社が定めた「行動規範」「クレド」を実践する
社内外でどのような行動をすればいいのか、それを定めているのが行動規範であり、クレドです。会社によっては「バリュー」とも呼んでいますね。
その行動を、社員一人ひとりが実践することで、会社が考える「社会からこのように見られたい(感じてもらいたい)」ということが伝わり、会社のブランドの礎となり、結果それが広報/採用活動の助けになります。
▼会社のビジョン・ミッション/事業内容を伝える
各社が策定している「ビジョン・ミッション」は、社員が覚えられるようにと、なるべくシンプルにまとめられています。
諸説あるのですが、ビジョンは「会社が目指す理想の世界」、ミッションは「そのために果たさなければならない使命」だと思ってもらえればと(会社によってはMMVとも呼ばれたり、企業理念とひとまとめにされることもあります)。
その解釈の仕方は、社員それぞれ違ってもいいのかもしれません(シンプルな言葉にするとはそういうこと)。ただ自分本位な受け止め方にならないよう、なるべくその言葉の背景を知るようにするとなお良しです。
▼社外の人と積極的に交流する
決して、会社のために人と会う必要はありません。各々の判断で、会社の外にいる方と積極的に会い、そして会社のことを話しましょう(機密情報は除く)。会社のことを一人でも多くの人に知ってもらい、愛してもらうことが、広報/採用活動の重要な第一歩です。ブログを書くのも一つの手段でしょう。
そして、社外の人が貴方の会社に抱いているイメージ(ポジネガ両方)を会社に持ち帰って、広報担当者、採用担当者にフィードバックしてあげましょう。そうすれば「何が伝わっていないか」がわかり、次に実行するべき打ち手を考えられます。
それに、「自社の中では当たり前になってるけど、実はそうでないこと」も知るきっかけになります。広報担当者、採用担当者は、それをめちゃくちゃ知りたがってます。なぜならそれは、自社アセット(=独自性・強み)になり得るので。
まとめ
今回は、かなり抽象度高め、しかもめちゃくちゃ地道な取り組みをテーマとして取り扱いましたが、「社内外の視点で、自社のことをより深く知る」ことが、全社員PRパーソンの第一歩なのかなと考えています。裏を返せば、そのように行動してもらうことを、広報担当者は心がけると良いと思います(そのための社内広報)。
大袈裟なタイトル&サムネイルにしたわりに、いざ挙げてみたら当たり前のことばかりでした。でもそういったことを、当たり前のように行うことが大事ということでしょう。逆に、外部からは常にそれを「監視」されてると思った方が賢明です。SNSの存在は、それほど脅威です。
「欲を言えば、こういうことも協力してほしい…」という広報担当者、採用担当者の方もいらっしゃるでしょう。実際に、具体的なアクションレベルまで落とし込んで社員の方に協力を仰いでいる方も多くいます。その仕組みが毎回聞いてもとても素晴らしいです(そのうち事例インタビューするかもしれません)。
とはいえ、会社のフェーズによって「仕組みの作り方」が異なることも多いので、それ自体を真似るのではなく、自社の社員が上記3項目をどうしたら実践できるのかを、その都度考えるのが良いと思っています。
もしかしたら数回にわたり、連載で書くかもしれません。
<次回予告>
「自社のことをより深く知る」ために、社員が能動的にできること(仮)